派遣事業で規制緩和の動き『債務保証があれば資産要件を撤廃』
これは2017年8月7日付 日本経済新聞記事を改編したものです。
〇概要
厚生労働省は労働者の派遣事業を手掛ける事業者への許可基準を緩和。
現在は純資産などで一定の要件を設けているが、
自治体が事業者の債務を保証することなどを条件に資産要件を撤廃する方向。
労働者派遣法に基づく許可基準を改め、9月上旬にも適用する方針。
目的と背景
目的:
経営規模の小さい事業者が派遣ビジネスを続ける環境を整えることで、
地方で働く人が仕事を見つけやすくするのが狙い。
背景:
これまでは資産要件を満たす必要がある許可制の事業者と、
資産要件のない届け出制の事業者の2種類があった。
悪質な事業者を排除するため、2015年に法改正で許可制に統一。
事業者は18年9月までに許可制に移行する必要がある。
しかし、中小の事業者などからは「資産要件のハードルが高い」といった
指摘が寄せられ移行は順調に進んでいない。
7月現在で許可制の事業所数が約2万4千あるのに対し、
届け出制は約5万5千が依然として存在。
現在の要件
現在は事業者に対して一定規模以上の資産を持つよう求めている。
【具体的には次の3つの要件】
・「純資産額が事業所数に2000万円をかけた金額を上回ること」
・「純資産が負債総額の7分の1以上」
・「事業資金としての現預金が事業所数に1500万円をかけた金額を上回ること」